VRChatの世界へようこそ。無限の可能性が広がるこの場所で、新しい出会いや体験に胸を躍らせている方も多いことでしょう。
しかし、その一方で「VRChat 初心者狩り」という言葉を耳にして、少し怖いと感じているかもしれません。どのワールドに行けば安全なのか、守るべき暗黙のルールはあるのか、不安は尽きないものです。
この記事では、そうした不安を解消するために、初心者狩りの実態から具体的な自衛策、そしてVRChatを心から楽しむための知識までを網羅的に解説します。あなたのVRChatライフが、不要なトラブルなく素晴らしいものになるよう、しっかりサポートします。
- 初心者狩りの具体的な手口や見分けるべきサイン
- 被害に遭わないための予防策と具体的な安全設定
- 初心者が安心して交流できるワールドの選び方
- 万が一遭遇してしまった際の冷静かつ効果的な対処法
VRChatの初心者狩りの実態と見分け方
- 優しさとの混同?初心者狩りとは
- 囲い込みに見られる危険なサイン
- なぜ被害者は気づきにくいのか
- 怖いと感じたら要注意
優しさとの混同?初心者狩りとは
VRChatにおける「初心者狩り」とは、ゲームの腕前で初心者を圧倒するような行為ではありません。むしろ、人間関係を利用して相手の心を縛り付け、自分の承認欲求を満たすための支配的な行動を指します。

VRChatにおける「初心者狩り」の具体的な行為は以下のような感じです。
- 初対面にもかかわらず、すぐにフレンド申請やDiscordなど外部の連絡先交換を執拗に迫る。
- 「困ったことがあれば何でも教える」と過剰に親切をアピールし、自分に依存させようとする。
- ログイン時間や誰と遊んでいたかなど、相手の行動を毎日細かく確認・詮索する。
- 他のユーザーやコミュニティと交流しようとすると「あの人は危ない」「あの場所は良くない」などと嘘や悪評を吹き込んで妨害する。
- 自分の管理下に置くため、意図的に他のフレンドから孤立させようとする(囲い込み)。
- 常に自分の行きたいワールドにしか連れて行かず、相手の興味や選択を尊重しない。
- これまでの親切を盾に、相手の意思を無視して恋愛関係(お砂糖関係)を強要する。
- 高価なアバターやアイテム、ギフトなどを暗示的、または直接的に要求する。
- 要求を断った際に「せっかく優しくしてあげたのに」といった言葉で相手に罪悪感を植え付け、心理的に支配しようとする。
【注意喚起】VRChat名「アレクサくん」@bandrinkl は、VRChat上で初心者狩りやセクハラDM、付き纏い、執拗なアタックによる親密な関係性への誘導などを行ってきます。初心者狩りについて「許せない」と言いながら初心者狩りをしている人物です。辛いなどと投稿するのも気を引くためです。気を付けて。
— qinn (@qinn_vrc) July 9, 2025
この行為の最も厄介な点は、一見すると非常に親切で優しい行動に見えることです。例えば「困ったことがあったら何でも言ってね」と声をかけ、献身的にVRChatの操作を教えてくれるかもしれません。
しかし、その裏には「自分が教えた」「自分が居場所を与えた」という優位性を感じたいという動機が隠れている場合があります。
これは、相手の成長や自立を心から願う本当の優しさとは異なります。むしろ、相手が自分に依存し、いつまでも初心者のままでいてくれることを望む、一方的な関係性と言えます。
そのため、親切心から始まった関係が、気づかぬうちに精神的な束縛へと変わってしまう危険性をはらんでいるのです。
囲い込みに見られる危険なサイン
初心者狩りを行う人には、いくつかの共通した行動パターンが見られます。これらは関係性の赤信号とも言えるサインであり、少しでも違和感を覚えたら注意が必要です。
まず、初対面にもかかわらず、すぐにフレンド申請を送り、Discordなど外部の連絡先交換を急かす傾向があります。これは、あなたとの関係を急速に深め、プライベートな領域に入り込むことで、他の人間関係から隔離しようとする意図の表れかもしれません。
次に「あの人は危ないから関わらない方がいい」といったように、あなたが他のユーザーと交流しようとすると、それを妨害するような発言をします。これは、あなたを自分の管理下に置き、情報の流れをコントロールしようとする囲い込みの典型的な手口です。
さらに、あなたの意思を無視して恋愛的な関係(お砂糖関係)を迫ったり、断ると「せっかく親切にしたのに」などと罪悪感を植え付けるような言葉を投げかけたりすることもあります。
金銭やギフト、あるいはR18行為を要求してくるケースも報告されており、極めて悪質です。これらのサインを見逃さず、自分の心を守ることが大切になります。
なぜ被害者は気づきにくいのか
これほど危険なサインがあるにもかかわらず、なぜ多くの被害者はすぐに関係を断ち切ることができないのでしょうか。その理由は、支配のプロセスが非常に巧妙で、ゆっくりと進行するためです。
VRChatを始めたばかりの右も左も分からない時期に声をかけてくれた人は、まさに救世主のように感じられます。ワールドを案内してくれたり、アバターの使い方を教えてくれたりした優しさは本物だったはずです。
その時の感謝の気持ちが強いほど、後に関係性が歪んできても「あの人は本当は良い人だ」と思い込み、相手の行動を正当化しようとしてしまいます。
そして、いつの間にか「この人に気を遣うのが当たり前」という状態に陥るのです。メッセージに即座に返信しないと申し訳なく感じたり、相手のログイン時間に合わせて自分の生活リズムを崩したりするようになります。
この過程には、怒鳴られたり暴力を振るわれたりするような分かりやすい加害行為は存在しません。ただ「優しさ」や「親切」という名の毒が、気づかないうちに心を侵食し、自分の意思で行動する力を少しずつ奪っていくのです。
怖いと感じたら要注意
もしあなたが誰かとの関係の中で、少しでも「怖い」「言いにくい」「申し訳ない」といった感情を抱いたなら、それはあなたの心が発している重要な警告です。その直感は、決して間違っていません。
相手の機嫌を損ねるのが怖くて、遊びたいワールドや話したいフレンドの名前を素直に口に出せない。今日は一人で静かに過ごしたいと思っても、断ることに罪悪感を覚えてしまう。このような状態は、既に対等で健全な友人関係とは言えません。
VRChatは、誰もが自由に自分の好きな時間を過ごせる場所であるはずです。あなたの選択肢を狭め、可能性を奪うような関係性は、どれだけ相手が「あなたのため」と言ったとしても、決して受け入れる必要はありません。
違和感を覚えたら、それは関係を見直すべきサインです。自分を責めることなく、その感情を大切にしてください。自分の心と自由を守るために、勇気を出して一歩を踏み出すことが何よりも重要です。
VRChatの初心者狩りから身を守る方法
- 事前の安全設定による予防が重要
- 安全に遊べる初心者ワールドの探し方
- 知っておきたいVRChatの暗黙のルール
- もし初心者狩りに遭遇したらどうする?
- 有効なブロック・通報のやり方
- 安心して遊べるインスタンスの活用法
- まとめ:VRChatの初心者狩りへの備え
事前の安全設定による予防が重要
VRChatで快適かつ安全に過ごすためには、トラブルに巻き込まれる前に、あらかじめセーフティ設定を見直しておくことが非常に効果的です。これらの設定は、あなたを不快な状況から守るための盾となります。
シールドレベルの設定
「シールドレベル」は、他ユーザーのアバターや音声などをどの程度表示するかを設定できる機能です。
初心者の方は、まず「ノーマル」に設定しておくのが無難です。
これにより、パフォーマンスが低いアバターや迷惑行為となりがちなエフェクトなどが自動的に制限されます。慣れてきたら「カスタム」に切り替え、ランクごとに細かく表示設定を調整することも可能です。
パーソナルスペースの活用
「快適性とセーフティ」の「パーソナルスペース」をONにすると、他のアバターが自分に近づきすぎた際に自動で非表示になります。
物理的な圧迫感や不快な接触を防ぐ効果があり、特に混雑したワールドで有効です。
緊急時のセーフモード
万が一、周囲の迷惑行為で身動きが取れなくなったりした場合は「セーフモード」を使いましょう。
セーフモードを有効にすると、フレンドに登録していないユーザーの音声が聞こえなくなり、アバターも非表示になります。
メニューを開くと、画面の右下の方に三角形のビックリマークみたいなアイコンがあります。これを押すたびに、セーフモードの有効・無効が切り替わります。
周囲のアバターや音声を一括で遮断し、安全な状態に戻れる緊急脱出機能として覚えておくと安心です。

セーフモードについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

安全に遊べる初心者ワールドの探し方
VRChatには無数のワールドが存在しますが、初心者が安心して交流の第一歩を踏み出せる場所は限られています。ここでは、比較的安全で初心者に優しいとされる代表的なワールドをいくつか紹介します。
ワールド名 | 特徴 | 注意点 |
[JP]Tutorial world | VRChatの基本操作を日本語で学べる。初心者案内人がいることも多く、質問しやすい雰囲気。 | 初心者狩りのターゲットにされやすい場所でもあるため、過度な親切には注意が必要。 |
NAGiSA | 1対1で5分間会話できるシステム。大人数が苦手な人や、話すきっかけが掴めない人に最適。 | 相手を選べないため、合わない人とマッチングする可能性もある。 |
ぶいあ~る横丁 | 比較的落ち着いた雰囲気で会話を楽しめる飲み屋街ワールド。迷惑行為が禁止されており、治安が良い。 | 夜間は賑やかになるため、静かに過ごしたい場合は時間帯を選ぶと良い。 |
ポピー横丁 | 自由でカオスな雰囲気が特徴。個性的なユーザーが多く、話しかけられる機会も多い。 | 視界ジャックや迷惑行為も発生しやすいため、シールドレベルを高めにするなど自衛が必須。 |
特に初心者の方は、まず「[JP]Tutorial world」で基本を学び「NAGiSA」や「ぶいあ~る横丁」で少しずつ交流に慣れていくのがおすすめです。
いきなりカオスなワールドに飛び込むと、VRChatの楽しさを知る前に疲弊してしまう可能性があるので、自分のペースでステップアップしていくのが良いでしょう。
知っておきたいVRChatの暗黙のルール
VRChatには公式の規約とは別に、ユーザー間で形成されたいくつかの暗黙のルールやマナーが存在します。これらを知っておくことで、意図せず他人を不快にさせたり、トラブルに発展したりするのを防ぐことができます。

もし初心者狩りに遭遇したらどうする?
どれだけ注意していても、残念ながら不快なユーザーに遭遇してしまう可能性はゼロではありません。もし初心者狩りかもしれないと感じたり、誰かの行動に不安や恐怖を覚えたりした場合は、相手を変えようとせず、自分の安全を最優先に考えて冷静に行動してください。
基本的な対処法は「遮断」「離脱」「通報」の3ステップです。
①まず「遮断」
相手のプロフィールメニューを開き「ブロック」を選択しましょう。これにより、相手からはあなたのアバターが見えなくなり、声も聞こえなくなります。今後一切関わりたくない場合の最も有効な手段です。
一時的に声を消したい場合は「ミュート」アバターだけを非表示にしたい場合は「Hide Avatar」を使います。
②次に「離脱」
その場からすぐに立ち去りましょう。メニューの「ホームへ戻る」で自分のホームワールドに戻るか、別のインスタンスに移動するのが確実です。相手がいる場所から物理的に距離を取ることで、精神的な落ち着きも取り戻せます。
③最後に「通報」
相手の行動がVRChatのコミュニティガイドラインに違反していると思われる場合は、通報機能を利用します。悪質な行為は運営に報告することで、他のユーザーが被害に遭うのを防ぐことにも繋がります。
有効なブロック・通報のやり方
前述の通り、ブロックと通報は自分の身を守るための重要な機能です。ここでは、具体的な操作方法を解説します。
ブロックの方法
ブロックしたい相手にカーソルを合わせ、クイックメニューを開きます。すると相手の情報が表示されるので、そこにある「ブロック」ボタンを押すだけで完了です。
一度ブロックすれば、相手が別のアバターに変わってもブロック状態は維持されます。ブロックしたことは相手に通知されないため、安心して使用できます。

通報の方法
通報も同様に、相手のプロフィールメニューから行います。右上に表示される「!」マークのついたボタンが通報ボタンです。これを押すと通報理由を選択する画面が表示されるので「Harassment(嫌がらせ)」など、該当する項目を選んで報告します。
より詳細な状況を伝えたい場合や、証拠となるスクリーンショットがある場合は、VRChat公式サイトの外部報告フォームを利用することもできます。
悪質な行為に対しては、こちらから詳細に報告する方が効果的な場合があります。面倒に感じるかもしれませんが、コミュニティ全体の安全を守るためにも、勇気を持った行動が求められます。
安心して遊べるインスタンスの活用法
Publicインスタンス(誰でも自由に入れる公開ワールド)は、新しい出会いがある一方で、不特定多数の人が集まるためトラブルに遭遇するリスクも高まります。VRChatに慣れるまでは、より安全なインスタンスを積極的に活用することをおすすめします。
Friends+ / Friends インスタンス
「Friends+」はフレンドとそのフレンドまでが入れるインスタンス「Friends」は自分のフレンドだけが入れるインスタンスです。信頼できる友人たちとだけで過ごせるため、非常に安全な空間と言えます。

気の置けない仲間とワールド巡りをしたり、ゆっくりおしゃべりしたりするのに最適です。
Invite+ / Invite インスタンス
「Invite+」や「Invite」は、あなたが招待した人だけが入れる、さらにプライベートなインスタンスです。

特定のメンバーだけでイベントを行いたい場合や、誰にも邪魔されずに集中したい作業がある場合に便利です。
Group インスタンス
特定のグループに所属しているメンバーだけが入れるインスタンスです。

共通の趣味や目的を持ったコミュニティで活動する際に活用されます。
グループにはモデレーター(管理者)がいることが多く、不適切な行動を取るユーザーがいた場合は対処してもらえるため、Publicよりも秩序が保たれやすい傾向があります。
これらのインスタンスを使い分けることで、初心者狩りのような望まない接触のリスクを大幅に減らし、安心してVRChatの世界を探索できるようになります。
まとめ:VRChatの初心者狩りへの備え
この記事では、VRChatにおける初心者狩りの実態から、具体的な自衛策までを詳しく解説しました。最後に、安全で楽しいVRChatライフを送るための重要なポイントをまとめます。
- 初心者狩りは優しさや親切を装って近づいてくる
- 目的は相手の支配による自己承認欲求の充足
- 他者との交流を妨害するのは危険なサイン
- 過度な干渉や個人情報の要求はすぐに関係を断つべき
- 「怖い」「おかしい」という自分の直感を信じる
- トラブル予防には事前のセーフティ設定が不可欠
- シールドレベルはまず「Normal」がおすすめ
- パーソナルスペースをONにして物理的な不快感を防ぐ
- 困ったときは緊急時のセーフモードを活用する
- 初心者はまず落ち着いたワールドから交流を始める
- 対処の基本は「遮断」「離脱」「通報」の3ステップ
- ブロック機能はためらわずに使用してよい
- 悪質な行為はVRChat運営にしっかり通報する
- 慣れるまではFriendsインスタンスなど安全な場所で遊ぶ
- あなたのVRChatライフの主役はあなた自身である