VRChatを始めるにあたり、できるだけ安い価格でVRゴーグルを手に入れたいと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、ただ安いという理由だけで選んでしまうと、後で失敗や後悔につながる可能性もあります。
特に、ゴーグルだけで手軽に始めたいけれど性能は十分なのか、人気のQuestシリーズやPICOといった選択肢の中でどれが自分に合っているのか、あるいは中古品も視野に入れるべきかなど、疑問は尽きないかもしれません。
VRChatの世界を存分に楽しむためには、ご自身の環境や予算に合った適切なゴーグルを選ぶことが不可欠です
この記事では、VRChat向けの安いゴーグルを探しているあなたが、最適な一台を見つけるための具体的な選び方から、おすすめのモデルまでを分かりやすく解説していきます。
- VRChat用ゴーグルの基本的な選び方のポイント
- 予算5万円前後で考えられる安いゴーグルの選択肢
- 新品と中古ゴーグルのそれぞれのメリットと注意点
- 主要なVRゴーグルの性能と特徴の比較

VRChatデビューなら、この1台! 現在、新品で手に入るVRゴーグルの中で、圧倒的コスパを誇るのが「Meta Quest 3S」です。
モデル名 |
価格帯(目安) |
メリット | デメリット・注意点 | こんな人におすすめ |
Meta Quest 3S | 48,400円 (新品) | ・最新プロセッサ搭載で動作が快適 ・新品の中では最も安価 |
・レンズ性能がQuest 3より劣る (周辺がぼやけやすい) ・解像度がQuest 3より低い |
予算を抑えつつ、最新の処理性能を求めるVR初心者 |
Meta Quest 3 | 81,400円(新品) | ・レンズ性能が高く、視界全体が非常にクリア ・高解像度で高い没入感 |
・価格が高い | 最高の画質でVRChatや他のVRコンテンツも本格的に楽しみたい人 |
Meta Quest 2 | 約30,000円前後 (中古) | ・中古市場で非常に安価 ・VRChatを体験する基本性能はある |
・旧世代機のため性能が見劣りする ・今後の公式サポートが不透明 ・中古品特有のリスク (バッテリー劣化など) |
初期費用を抑えてVRを「お試し」で体験したい入門者 |
PICO 4 | Quest 3より安価 (中古) | ・軽量で重量バランスが良く、長時間でも快適 ・Quest 3同様の高性能レンズを搭載 |
・対応アプリの数が少ない ・ユーザーコミュニティが比較的小さい |
長時間プレイを想定し、装着感や快適性を最優先したい人 |
初代Meta Quest | 約20,000円以下 (中古) | ・有機ELディスプレイによる美しい黒の表現 ・中古市場で圧倒的に安い |
・動作が非常に遅い ・公式サポートが完全に終了している ・初心者には全くおすすめできない |
PCVR専用機として有機ELを試したいなど、限定的な目的を持つ上級者 |
安いVRChat向けゴーグルを選ぶための基礎知識
- VRChat向けゴーグルは安いモデルで十分か?
- 予算5万円前後で考えるゴーグル選び
- VRChatをPCで遊ぶ場合のメリット
- ゴーグルだけでVRChatを始めるには
- 中古ゴーグルを選ぶ際の注意点
VRChat向けゴーグルは安いモデルで十分か?
「安いゴーグルでもVRChatは楽しめるのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。この問いに対する答えは「プレイスタイルによるが、多くの場合で十分楽しめる」です。
PCVR環境ならゴーグルの性能差は出にくい
ゲーミングPCに接続するPCVR環境では、映像の品質や快適さは主にPCの性能に依存します。そのため、ゴーグル自体がQuest 2のような安いモデルであっても、PCのスペックが高ければ非常に美しい世界を体験できます。
ゴーグルに求められるのは、PCからの映像を綺麗に表示する「ディスプレイ」としての役割が主となるからです。
体験の「質」を求めると上位モデルが欲しくなる
一方で、ゴーグルの性能は体験の「質」に影響します。
例えば、解像度が高ければよりきめ細やかな映像になりますし、視野角が広ければ没入感が増します。装着感の良し悪しは、長時間のプレイにおいて快適さを大きく左右するでしょう。
安いモデルでVRChatを始めてみて、もし「もっと綺麗な映像で見たい」「もっと快適に遊びたい」と感じるようになったら、その時に上位モデルへの買い替えを検討するというステップアップも賢い選択です。
予算5万円前後で考えるゴーグル選び

VRChat用のゴーグルを探す際、一つの目安となるのが「予算5万円」というラインです。この価格帯は、VR入門者にとって最も現実的な選択肢が見つかりやすいゾーンと言えるでしょう。
2025年10月現在、この予算内で新品の購入を検討する場合、最も有力な候補となるのが「Meta Quest 3S(48,400円)」です。
このモデルは、上位機種の性能を一部受け継ぎながら価格を抑えており、コストパフォーマンスに優れています。VRChatを始めるための最初の1台として、十分な性能を持っています。
また、中古市場に目を向ければ、選択肢はさらに広がります。
例えば、一世代前の人気モデルである「Meta Quest 2」や、軽量さが特徴の「PICO 4」などが5万円以下の価格で見つかることがあります。これらのモデルは型落ちではあるものの、VRChatをプレイするには今でも十分な性能を備えています。
ただし、中古品には保証やバッテリー劣化などのリスクが伴うことを忘れてはいけません。新品の安心感を取るか、中古で少しでも安く手に入れるか、ご自身の価値観に合わせて判断することが求められます。
いずれにしても、5万円という予算はVRChatの世界への扉を開くための十分なきっかけとなる金額です。
ゴーグルだけでVRChatを始めるには
PCを持っていない方や、もっと手軽にVRChatを始めたい方には、VRゴーグル単体で動作するスタンドアロン型のモデルが適しています。
このタイプのゴーグルの利点は、何と言ってもその手軽さです。PCや外部センサーとの接続が不要なため、箱から出して初期設定を済ませれば、すぐにVRChatの世界へ飛び込めます。ケーブルに縛られることなく自由に動き回れるため、初心者の方でも直感的に操作を覚えられるでしょう。
一方で、注意点も存在します。ゴーグル単体の性能は高性能なゲーミングPCには及ばないため、VRChatの一部のコンテンツにはアクセスできません。
「Quest対応」と明記されていないアバターやワールドは、表示されなかったり、そもそも入室できなかったりすることがあります。多くのユーザーはPC版で遊んでいるため、交流の輪が少し狭まってしまう可能性も考えられます。

手軽に始められるメリットとコンテンツに制限があるデメリットを理解した上で、ゴーグル単体で始めるかどうかを判断することが大切です。
VRChatをPCで遊ぶ場合のメリット
VRChatの体験を最大限に引き出したい場合、ゲーミングPCにVRゴーグルを接続して遊ぶ方法が最もおすすめです。
この方法の最大の理由は、VRChatが提供するコンテンツをほぼ制限なく楽しめる点にあります。PC版では、ユーザーが作成した多種多様なアバターや、作り込まれた美しいワールドへ自由にアクセスできます。
一方、ゴーグル単体で動作させる場合は、性能上の制約から一部のアバターが表示されなかったり、訪問できないワールドがあったりします。
また、PCの高い処理能力を活かすことで、より高画質で滑らかな映像を描写できます。これにより、バーチャル空間への没入感が格段に向上し、快適な体験が得られます。
ただし、この方法を選択するには、VRChatを快適に動作させられるだけのスペックを持ったゲーミングPCが別途必要です。
そのため、初期投資はゴーグル本体の価格に加えてPCの購入費用も考慮しなくてはなりません。これからPCの購入も検討している方は、ある程度の予算を確保することが求められます。

私は、初代Quest(5万円)ゲーミングPC(約18万円)の初期費用がかかりました。
中古ゴーグルを選ぶ際の注意点
初期費用を極力抑えたい場合、中古のVRゴーグルは非常に魅力的な選択肢となります。新品に比べて大幅に安価で手に入ることが多く、予算が限られている方にとっては大きなメリットです。

しかし、中古品には価格の安さと引き換えに、いくつかの注意すべき点があります。
保証とサポート
まず、メーカーの保証期間が切れているケースがほとんどです。万が一、購入後に故障や不具合が発生しても、無償での修理や交換は期待できません。有償修理に対応していないモデルも多く、結果的に買い直すことになり、かえって高くついてしまうリスクがあります。
消耗品の劣化
次に、バッテリーやコントローラーといった消耗品の劣化です。
特に内蔵バッテリーは使用に伴い少しずつ性能が低下するため、中古品では新品時よりも連続使用時間が短くなっている可能性があります。
また、レンズに付着した傷や汚れ、接顔パーツの衛生状態なども確認しておきたいポイントです。
付属品の確認
最後に、購入時に本来付属しているべきケーブルやアダプター、説明書などが全て揃っているかを確認することも忘れてはなりません。欠品があると、別途購入する手間や費用が発生してしまいます。
これらのリスクを十分に理解し、信頼できる販売店を選んだり、商品の状態を細かく確認したりすることが、中古ゴーグル選びで失敗しないための鍵となります。
VRChat向け安いゴーグルのモデル別紹介
- 最新で最も安価なMeta Quest 3S
- 高性能も選択肢に入るMeta Quest 3
- いまだに人気の高いMeta Quest 2
- 軽量さが魅力のPICO4という選択肢
- 最安を狙える初代Questの魅力
- 装着感を改善するアクセサリーの重要性
- あなたに合う安いVRChatゴーグルはこれ
最新で最も安価なMeta Quest 3S

現在(2025年10月時点)販売されている新品のVRゴーグルの中で、VRChat入門用として最もコストパフォーマンスに優れているのが「Meta Quest 3S」です。
このモデルは、上位機種であるMeta Quest 3の廉価版という位置づけです。
最大のメリットは、48,400円からという手頃な価格でありながら、心臓部であるプロセッサ(SoC)はQuest 3と同じ「Snapdragon XR2 Gen2」を搭載している点にあります。
これにより、Quest 2などの旧世代機と比較して、アプリケーションの起動や動作が高速になっており、快適な操作感が得られます。
一方で、価格を抑えるためにいくつかの点が変更されています。特に大きな違いはレンズです。Quest 3が映像の隅々まで鮮明に見える「パンケーキレンズ」を採用しているのに対し、Quest 3Sは旧来の「フレネルレンズ」を引き続き採用しています。
これにより、中心部に比べて周辺部が少しぼやけて見えることがあります。また、解像度もQuest 3よりは低く設定されています。
とはいえ、VRChatを始めるための基本的な性能は十分に満たしています。単純にVRChatを体験してみたいという段階であればQuest 3Sでも十分満足できます。
初めてVRゴーグルを購入する方で、予算を抑えつつ最新の処理性能を手に入れたい場合には、Meta Quest 3Sは最適な選択肢です。
モデル | Meta Quest 3S | Meta Quest 3 |
価格(128GB/512GB) | 48,400円 / 64,900円 | 81,400円 (512GB) |
SoC | Snapdragon XR2 Gen2 | Snapdragon XR2 Gen2 |
解像度(片目) | 1832 × 1920 | 2064 × 2208 |
レンズ | フレネルレンズ | パンケーキレンズ |
高性能も選択肢に入るMeta Quest 3

もし予算に少し余裕があるのであれば「Meta Quest 3」は体験の質を大きく向上させてくれる選択肢です。
Quest 3の最大の魅力は、その映像の美しさにあります。新しく採用された「パンケーキレンズ」は、視野の中心から端までピントが合いやすく、非常にクリアでシャープな視界を提供します。
これにより、ワールドの風景やアバターの細部までくっきりと見ることができ、VRChatへの没入感を格段に高めてくれます。
また、Quest 3Sと比較して解像度が高いため、より精細なグラフィックを楽しむことが可能です。プロセッサはQuest 3Sと同じ最新世代のものを搭載しており、あらゆる操作がスムーズに行えます。
デメリットは、やはり価格です。最も安いモデルでも8万円を超えてくるため、Quest 3Sと比較すると3万円以上の価格差があります。この価格差をどう捉えるかが選択の分かれ目となるでしょう。
単純にVRChatを体験してみたいという段階であればQuest 3Sでも十分ですが、最高の画質でバーチャル世界を堪能したい、あるいはVRで他のゲームやコンテンツも本格的に楽しみたいと考えている方にとっては、Meta Quest 3はうってつけです。
いまだに人気の高いMeta Quest 2

「Meta Quest 2」は、VRを一般に普及させた立役者とも言えるモデルです。現在は公式サイトでの新品販売が終了しており、入手するには主に中古市場を探すことになります。
このモデルの最大のメリットは、中古市場での価格の安さです。
タイミングが良ければ3万円前後、あるいはそれ以下で手に入れることも可能で、とにかく初期費用を抑えたい方にとっては非常に魅力的です。
VRChatをプレイするための基本的な性能は備えており、多くのユーザーがこのモデルからVRの世界に入門しました。
しかし、デメリットも明確に存在します。
まず、プロセッサがQuest 3や3Sに比べて旧世代であるため、動作速度やグラフィック性能は見劣りします。また、レンズもフレネルレンズであり、最新機種のような鮮明さはありません。
さらに重要な点として、発売から時間が経過しているため、今後のソフトウェアアップデートやサポートがいつまで続くか不透明であるというリスクが挙げられます。
中古品であるため、バッテリーの消耗や本体のコンディションにも注意が必要です。これらの点を理解した上で、あくまで「VRがどんなものか試すための入門機」と割り切って購入するのであれば、今でも選択肢の一つとなり得ます。
軽量さが魅力のPICO4という選択肢

Meta社のQuestシリーズ以外で、安価なスタンドアロン型ゴーグルとして有力な候補になるのが「PICO 4」です。
PICO 4の際立った特徴は、その本体重量の軽さと優れた重量バランスにあります。バッテリーを後頭部側に配置する設計により、顔への圧迫感が少なく、Questシリーズと比較して長時間の装着でも疲れにくいと感じるユーザーが多いです。
VRChatでは数時間にわたってプレイすることも珍しくないため、この快適性は大きなメリットとなります。
また、Quest 3と同様のパンケーキレンズを採用しており、クリアな視界を実現しています。価格もQuest 3よりは安価な設定で、コストパフォーマンスの面でも魅力的です。
一方で、デメリットとしては、Meta Questストアに比べて対応しているアプリやゲームの数が少ない点が挙げられます。
VRChatをプレイする上では直接的な問題になりにくいですが、他のVRコンテンツも楽しみたいと考えている場合は物足りなさを感じるかもしれません。
また、日本国内でのユーザーコミュニティの規模もQuestシリーズに比べると小さいため、トラブル発生時に情報を得にくい可能性があります。
装着感や画質を最優先したい方にとっては、検討する価値のある一台と言えるでしょう。
最安を狙える初代Questの魅力

費用を極限まで抑えたい場合に、最終的な選択肢として浮上するのが中古の「初代Meta Quest」です。
このモデルの唯一とも言える魅力は、ディスプレイに有機EL(OLED)パネルを採用している点です。有機ELは液晶に比べて黒の表現力に優れており、暗い場所やホラーワールドなどでは、後継機よりも深く沈み込むような黒を体験できます。
この美しい黒を求めて、今でも愛用しているユーザーがいるほどです。中古市場では2万円前後、あるいはそれ以下で見つけることも可能で、圧倒的な安さを誇ります。
しかし、それを補って余りあるほどのデメリットが存在します。プロセッサの性能が低く、動作は非常に緩慢です。
さらに、Meta社による公式サポートはすでに終了しており、ソフトウェアのアップデートやセキュリティ更新も行われません。これは、PCに接続してPCVR専用機として使う場合でも、潜在的なリスクを抱えることになります。
これからVRChatを始めようとする初心者の方には、積極的におすすめできるモデルではありません。
あくまで、上記のような多くの制約を理解した上で「PCVR専用機として有機ELディスプレイを体験してみたい」という、非常に限定的な目的を持つ方向けの選択肢と言えます。
装着感を改善するアクセサリーの重要性
VRChat向けの安いゴーグルを選ぶ際、本体の性能や価格だけでなく、装着感についても考慮することが快適なVR体験のためには不可欠です。
特にMeta Questシリーズに標準で付属している布製のヘッドストラップは、顔の前方に重量が集中しやすく、長時間の使用で顔が痛くなったり、ゴーグルがずり落ちてきたりすることがあります。
VRChatは一度始めると長時間に及ぶことが多いため、この装着感の問題はプレイの満足度を大きく左右します。
この問題の解決策として、サードパーティ製のヘッドストラップへの交換が非常に有効です。これらのアクセサリーには、後頭部をしっかりと支える樹脂製のアームを持つタイプや、後部にバッテリーを搭載して前後の重量バランスを改善するタイプなど、様々な種類があります。
バッテリー付きのストラップは、装着感が向上するだけでなく、ゴーグルの稼働時間を延長できるというメリットもあります。結果として、より長く、より快適にVRChatの世界に没入できるようになります。

ゴーグル本体の予算に加えて、こうしたアクセサリーのための追加費用(数千円から1万円程度)もあらかじめ見込んでおくと、購入後の満足度が大きく変わってきます。
あなたに合う安いVRChatゴーグルはこれ
この記事では、VRChat向けの安いゴーグルを選ぶためのポイントと、具体的なモデルを紹介してきました。最後に、あなたに最適な一台を見つけるための要点をまとめます。
- VRChatを最大限楽しむならPCとの接続が理想
- 手軽さを優先するならゴーグル単体でのプレイがおすすめ
- ゴーグル単体で遊ぶ場合はアバターやワールドに一部制限がある
- 初期費用を抑えるなら中古ゴーグルも有力な選択肢
- 中古品は保証がなくバッテリーが劣化している可能性に注意する
- 新品で安さを求めるならMeta Quest 3Sが最もバランスが良い
- Meta Quest 3Sは最新プロセッサ搭載で動作が快適
- 予算に余裕があり最高の画質を求めるならMeta Quest 3が最適
- Meta Quest 3のパンケーキレンズは非常にクリアな視界を提供する
- Meta Quest 2は中古で安価だが性能は旧世代となる
- PICO 4は軽量で長時間のプレイでも疲れにくいのが魅力
- 初代Questは有機ELが美しいがサポート終了のため非推奨
- 標準ストラップは装着感が悪いため交換用アクセサリーの購入を検討する
- 快適なプレイにはヘッドストラップへの追加投資が効果的
- 自分の予算と求める体験の質を照らし合わせて最適なモデルを選ぶことが大切